『LIFE!』 空想を超えた現実の大冒険
【あらすじ】
ウォルター・ミティ(ベン・スティラー)は雑誌『LIFE』で働く真面目な社員。彼の仕事は、膨大な写真のネガの管理。雑誌のイメージとはほど遠い、地味な仕事である。性格は職場で思いを寄せている女性と会話すらできない臆病者だ。
そんな彼には、空想癖がある。仕事中でも、街の中でも、どこでもふと空想の世界に入り込む、逃げ込んでしまうのだ。空想の中では、大胆で、男らしく、頼りがいがあって、そう、まさにヒーローになっている。そんな空想の中の彼とは裏腹に、現実の世界では、彼はときどき、急にぼんやりモードに入る男として、半分呆れられている。
ある日、ウォルターに転機が訪れる。デジタル化の流れには逆らえず、『LIFE』は廃刊となることに。その最後の表紙を飾るネガが見つからない。ウォルターは大ピンチに陥るのだ。大切なネガを探すため、長年のパートナーだが、まだ1度も会ったことのない写真家のショーン(ショーン・ペン)を探す大冒険へと足を踏み出のだったーーー。
【感想&まとめ】
見どころのひとつは、空想の中のウォルター。実際の彼とは真逆のキャラクターで意中の女性へのアピールもヒーロー級にかっこよくやってのけてしまうのだ。
彼女の愛犬を助けるために、駅のホームから、マンションの窓へダイビング。無事に救い出し、足の不自由な愛犬のために作った義足と一緒に、彼女に手渡すのだ。空想の中なので、何でもアリだ。ぬかりがないのである。
しかし、本当の見どころは、現実のウォルターの大冒険なのだ。
倉庫のような暗い仕事場という現実世界から、そして、壮大でありながら、頭の中だけの世界でしかない、ウォルターの小さな頭の中から、写真家のショーンを探し出すために、世界に飛び出して行くのだ。
グリーンランドから、アイスランド、アフガニスタン、ヒマラヤ、行く先々で大胆に行動する。ヘリから海へ飛び込んだり、サメと闘ったり、噴火に遭遇したり。そこでの人との出会い、体験を通して、ウォルターは現実の中で、たくましくなっていく。
この冒険、成長こそが、『LIFE』のスローガン通りだったのだ。
(スローガンはすこし長いので、ここでは記載しません。劇中でも旅立つシーンで流れてました。ステキなスローガンです。)
ウォルターのように大胆に、壮大な世界に飛び出してみよう!ということだけがこの作品のメッセージではない。自分の置かれた現実という世界をしっかり受け止め、課せられた仕事はきちんとやりましょう、というとてもシンプルで強いメッセージが感じられる。ウォルターの仕事はとても地味だったけど、テッドに言い放ったように、そういう人たちが『LIFE』を創り、育てて来たのだ。
日々の忙しさに流されて、大切な瞬間を見逃さないよう、現実で、ときには空想で冒険しながら、自分の人生を一歩、踏み出してみよう。
(HaLu)
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