「ビフォア・ミッドナイト」出会い、恋におち、そして愛にたどりつく
お家で映画鑑賞『ビフォア・ミッドナイト』
あらすじ・レビュー
18年前、ヨーロッパ旅行中に出会ったアメリカン人の学生ジェシー(イーサン・ホーク)とフランス人の学生セリーヌ(ジュリー・デルピー)。お互いに惹かれてはいたものの、あえて連絡先も交換せず、再開の約束だけをしてそれぞれの場所へ帰って行った。2人で過ごしたのは、“夜明け(サンライズ)”までの時間。
そして、その9年後(第2作)では、ジェシーは作家になり、あの出会いを描いた小説を書き、そして、そのプロモーションで訪れたパリで、セリーヌと再会する。今度は、飛行機が飛び立つまでの“サンセット(夕暮れ)”を一緒に過ごす。
そして、それからまた9年後の第3作目となる今作では、“ミッドナイト(真夜中)”までの時間を40代になった彼らがどう過ごすのかが描かれている。
パートナーとなり、可愛い娘たちにも恵まれた2人は、ギリシャで夏の休暇を過ごす。それにしても冒頭のシーンから、この2人は相変わらずよく喋る。息をするかのようにしゃべりまくっている。
しかし、この2人の会話、前2作とは決定的に内容が違ってきている。
1作目では、旅先の出会いということもあり、そして、若さも手伝って、ロマンティックな夜を過ごしながら語り合い、2作目では9年の空白を埋めるように感動的な再会に胸を躍らせながらも、20代のときにはなかった、それぞれの抱えている問題について、本音をさらけ出して語り合っていた。
まとめ
そして、今作。40代となった彼らが語らう内容はなんなのか?よく聞いていると彼らの日常の話なのだ。そう、この9年、彼らは一緒の時間を過ごし、一緒に人生を歩んできた。だからこその会話なのだ。それゆえ、今回は前2作と違った、激しいケンカのような口論が巻き起こっている。ギリシャのきれいな街並みとは違う、生活臭プンプンの、夫婦の会話なのだ。
どんなに激しい口論となっても、この2人は別れないなという安心感すらある感じで見届けられる。たしかに、出会いも再会もロマンティック&ドラマティックだったけど、根底になるのは、語り合って、話し合って、築き上げてきた2人だからこその固い絆。
そんな2人だから、素敵に過ごすはずの夜に、そんなとこまで話すのか!というくらいの多少の下世話感もあるような会話をしてしまったりしても、愛を感じて、それすらロマンティックに感じてしまうのだ。
この作品、主人公はずっと同じだし、一緒に年を重ねてきた感じで、観ることができる。
脚本には主演の2人も参加しているということで、みんなで大切に作り上げてきたという様子が伝わってくる、素敵な作品。ずっと見守り続けたいと思える、貴重な作品だと思います。
(HaLu)
キャスト
監督リチャード・リンクレイター
イーサン・ホークジェシー
ジュリー・デルピーセリーヌ
シーマス・デイビー=フィッツパトリックハンク
ジェニファー・プライアーエラ
シャーロット・プライアーニナ
この記事を書いた人
- 映画のこと、音楽のこと、ファッションのこと、グルメのこと、マンガのこと、本のこと、旅行のことなどなど、ときどき書いてます。新作から掘り出し物の作品まで、おススメを紹介していきたいと思います。
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