「ニシノユキヒコの恋と冒険」モテすぎる男のモテない理由(ワケ)は?

ニシノユキヒコの恋と冒険

お家で映画鑑賞『ニシノユキヒコの恋と冒険』

あらすじ・レビュー

ハンサムで、優しくて、そのうえ、女心が手に取るように分かってしまい、とにかく女性の気持ちいツボが分かっている色男。とにかくモテる、彼と出会った女性はみんな好きになっちゃうという言葉に納得。竹野内豊演じる主人公・ニシノユキヒコ、まずはキャスティングの大成功に拍手を送りたい。
最初から最後までまったりと、ゆる~く進んでいゆくこの物語に、眠気を感じなかったのは、出てくる女性もみんな魅力的だったから。ニシノユキヒコにみんな惚れてしまうというけれど、そんな女性たちも素敵な人ばかりだ。10年前につきあっていたのは人妻の夏美(麻生久美子)。会社の上司だったマナミ(尾野真千子)、そして、元カノのカノコ(本田翼)、マンションの隣に住む昴(成海璃子)とタマ(木村文乃)、そして、料理教室で出会った主婦のサユリ(阿川佐和子)とそれぞれの魅力にあふれた女性たちが次々とユキヒコの前に現れ、恋に落ちてゆく。

しかし、こんな話だとは想像してなかった。ただのモテ男日記みたいな感じなのかなというイメージのまま観てみると、冒頭でいきなりユキヒコさんは事故に遭ってしまい、幽霊となってしまう。こんな幽霊だったら、ずっと憑りついていて~とお願いしたいくらいのかっこよさ。それはさておき、幽霊になったユキヒコさんは、高校生になった夏美の娘、みなみ(中村ゆりか)の前に現れる。なぜ、彼女のところにやってきたのか、その答えと一緒に、物語の最後に「キュン」とする場面も準備されているので、楽しみに最後まで観てほしい作品である。
それにしてもこの幽霊、なんかリアルな感じがして、というか、生きていたころのユキヒコさんがファンタジーなくらいかっこよすぎてリアリティにかけてしまっているのか、なんとも奇妙な感覚を覚える。

まとめ

それにしてもこのユキヒコさん。女心を誰よりも理解し、ときには彼女たち以上に、彼女たちの心を理解し、先回りまで出来ちゃう理想の男性なのだけど、なぜか最後にはフラれてしまうのです。なぜ?よくよく見ていると、彼には自分がない。自分はこうだ!こうしてほしいんだ!などと主張することはない。すべては相手の女性のため。彼女たちの願いを、望みを叶えるためだけに行動している。そんな彼に女性たちは無条件に惹かれていく。女性同士がもめたりすることもあるけど、それは、ユキヒコさんが原因ではなく、女性たちの問題なのだ。ユキヒコさんはみんなのモノ。
かゆいところに手が届き、そばにいてほしい時にいてくれる。してほしいことをしてくれる。そんな女性たちの希望が叶ってしまったとき、ユキヒコさんは必要でなくなってしまうのだ。だから、彼の恋は続かないのだ。なんとも切ないモテ男の恋物語なのである。

(HaLu)

キャスト

監督 井口奈己
原作 川上弘美
竹野内豊
尾野真千子
成海璃子
木村文乃
本田翼

この記事を書いた人

HaLu
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映画のこと、音楽のこと、ファッションのこと、グルメのこと、マンガのこと、本のこと、旅行のことなどなど、ときどき書いてます。新作から掘り出し物の作品まで、おススメを紹介していきたいと思います。
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